高齢に伴う疾患、また患者数の多い疾患について。 私は手術・治療の際に、体験ブログを拝見して救われたことが多々ありました。また、治療の方法を知っているだけで、落着いて手術に望むこともできました。 私の体験が、助けて頂いたブログと同様に同じ疾患で悩まれている方に少しでもお役にたてればと思い書いています。 |
◎白内障の手術が無事終了
白内障は、60歳以上で80%を超える老化による水晶体の劣化現象です(手術が必要かは別ですが)。
ということで、皆さんもこれから歳を重ね手術が必要になる方もおられると思いますで私の手術を含めた体験談を記載してみます。
そうだ!あんなこと書いていたな!と、いつかその時に思い出していただければ少しは役立つかも知れません?
61歳の時にメガネレンズを変えても視力が良くならず、メガネ屋さんに勧められて近くの眼医者に行ったら白内障と診断され「生活に支障が出てきたら来てください!」と言うことで終わりました。
その数年後に、人間ドックの眼底検査で「右目に白内障が少しあります!」と指摘されるも視力は落ちないためそのまま7年が過ぎました。
(今考えると、ドックの眼底検査で見つかるくらいだとある程度進んでいる状況だったと思います)
そもそも白内障は、眼球のレンズである水晶体が長年にわたり紫外線、ブルーライトなどを浴び続けて白く濁ったり、硬くなってひび割れ乱反射して視力が低下していく老化現象です。
放置すれば、最終的には失明になりますので、その前に手術で人工眼内レンズに入れ替える必要があります。
若い時には、水晶体は透明で膨らんだり薄くなったりで遠く近くが鮮明に見えるようになっていますが、歳とともにプラスチックが紫外線で白くなったり硬くボロボロになるように劣化していきます。
白内障は、目薬で進行を遅らすことはできますが、完全に治すには現時点では手術しか方法はありません。
私は強度の近視にプラスして若い時に仕事でブラウン管を長時間眺め、パチンコの液晶画面を1日眺め、デスクワークまた趣味ではパソコン画面を凝視していれば他人より早く白内障が進むのは疑う余地がありません(-_-;)
=手術の決意がなかなかできない=
白内障であっても、生活に支障が無ければ手術する必要はありません、他の病気のように早ければ早いほどってことはなく視力に支障が出てきてからで十分間に合います。
実際に白内障を患っている方が悩むのは、ではいつ手術をするか?
私の場合を例にお話しすると・・・
2年前くらいから、右目が明るい物を見ると周りが少し白く見え視力も低下してきた。
しかし、左目はほとんど眼底検査でも透明で視力も矯正で0.8くらいはあるので右目を左目が脳内で補正して生活に支障はありませんでした。
1年前の免許更新で両眼で0.7見えなかったら、即、手術しようと思いましたが、なんとかパスできました。
これで、先5年は大丈夫(^.^) と思っていると・・・
なに?左目の視力が良くなってきた・・ラッキー(^.^)
実は、これが白内障がいっきに進んだ現象でした。
光が、硬化の進んだ水晶体の核内で乱反射して一時的に網膜に焦点が会った現象でした。
その後に、左目が2重3重に物が見え始めて運転していても信号の光が2つ3つに見える。
これはヤバイ!
それでも、少しガマンしていましたが・・・ついに両眼の視力の差が激しくなり精神的にうつ状態に入り込んでいくのが自分なりに解りました。
これはヤバイ頂点・・ということで手術を決め評判の良い眼医者を尋ねました。
評判の良い眼科医に初めて診察に行きました。
朝8時30分というのに、患者数は数えるところ80人以上が診察を待っている状況で驚きでした。
お医者さんは男性女性の2名ですが、看護師さん検査員の数が多くテキパキと作業をこなし視力検査から数台の目の検査機でデータを取り11時過ぎには診察を終えることができました。
「白内障が進んできてますが、手術しますか?」・・「はい!お願いします」・・その後は、血液検査とレンズを決めるための再検査を。
「強度の近視で、子供の頃からメガネですので手術後も近視メガネ使用でお願いします」・・の要望でレンズを決めていただくことになりました。
その日は、翌月に両眼を1日開けて左右の目を日帰りで手術することが決まりました。
眼内レンズは、単焦点レンズと乱視矯正(1焦点ですのでメガネが必要です)は保険適用で3割負担で片目4万円程度です。
多焦点の遠近両用眼内レンズもありますが、保険がきかないため、片目で20万〜40万円くらいかかるようです。(その後に保険適用になったようです)
メガネが必要ない分、遠近両用レンズはコンタクトと同様の原理でマクロの遠近用の輪が交互に入っていて見たときに脳内で切り替えて見るためなかなか馴染まない方もいるようです。
また、単焦点レンズに比較して少し暗いとかハッキリと見えにくいなどもあるようで、一度入れたら交換ができないためレンズ選びは慎重にすべきです。
なお、レーシック手術を受けられた方は、角膜を削って薄くしているので網膜までの距離が測定しにくくそれに対応した測定器を設置した眼科医を選ぶことになります。
1か月後の手術が決まり、私が最も不安だったのが(手術する方は、だれでも同じ不安があると思います)・・
”手術は痛くないのか?””どのような方法で、時間はどのくらいかかるのか?””麻酔は目に注射?(^-^;不安””局部麻酔ってことでしたが、手術中に目動かないかな?””メスなど手術の状況が見える?”・・ということで恐怖と不安しかありませんでした。
この恐怖を手術までに克服しなくては・・
まずネットで、白内障手術の体験談を書いたブログを読みあさりました!
どうも手術での痛みは無さそうだ!麻酔も点眼麻酔でやるようだ!手術の時間は5分〜10分程度で済むようだ!
ただ手術の状況は見えているようだ!
どうも、手術が100%だと、恐怖95%>痛み5%以下ってところのようだ。
この恐怖さえ克服できれば、なんとかなりそうだ!
白内障が見つかってから、7年間溜めに溜め込んだ”白内障に関するテレビ番組・手術映像”のVTRをすべて見ることにした。
手術は・・
1)白目の上の角膜の一部を1.5mm〜2mm程度切るので出血はしない
2)この穴から水晶体を4分割にした後、レーザーで細かく分解する
3)水晶体の袋だけ残し、分解された水晶体をこの穴から吸い出す
4)小さく折り畳んだ6mmの人工レンズを注射器のような器具を使って挿入、水晶体を包んでいた袋にレンズをセットする
とまあ!うまくいけば手術は5分〜7分程度ですべて終えるようだ!
とにかく、すべての工程を頭に入れていれば、手術中に「今は、ここまで進んだ」を落ち着いて理解でき残りの工程と時間も解り恐怖を克服できることになる。
手術は、3日前から目薬を日に4回さし続けて眼医者に・・・
この日は、午前中が外来、午後が手術の日でしたが私を含め14人が白内障の手術患者でした。
今日は2回目の隣の方に「痛くないですか?」と聞くと。
隣の方「緊張で手ガチガチになりますが、ここまで来ればまな板の鯉ですよ!」って笑っていました。
まず、パンツ一つで手術衣に着替えてベットに・・・
ベットに横たわり、時間を空けて3回ほど目薬をした(約1時間〜2時間)最後に、点眼麻酔をして手術室入口で足を除菌してから中に入りました。
少し薄暗い手術室のイスに座り、手術する目以外は白布で覆われた。
まぶたは、4方を器具で抑えてまばたき出来ない状況になった。
まぶしい4つの光が見えてきた。始まる前に看護師さんが光の中心を見ていてください!って言ってたのがこれか。
と、思っている間に手術が始まっているようだ、時々ちょっと冷たい液が目にかかってくるのは解るが痛みは感じない。
助手らしき人が、数値を読んでいるのでレーザー投射の強度数値かな?
どうも、水晶体は取り出されたようだ?しかし、もともと強度近視なのでボケて見えていることも解らない。
その後、看護師さんがレンズ確認の数値を読んだのが聞こえると、オーロラのようなキラキラと光るきれいな光が見えてきた。・・・これが、体験ブログで読んだ眼内レンズが入って広がる時に見える現象だ!
と、いうことはもう少しで終えるのかな?
「はい!終わりました、うまくいきましたよ!」とお医者さんの声が。
ほっとしている間もなく、眼帯をつけて手術室をあとにしました。
ベットから出てから10分程度だったので、実際の手術時間は6〜7分くらいではないでしょか。
1日開けて反対側の目の手術は、状況と工程が解っていたので最初より落ち着いて手術を受けることができました。
手術後は、3種類の目薬を日に4回さしながら、続けて2日診察を受けました。
とにかく、手術後1週間が勝負、感染、炎症をおこさないように顔は洗えない、風呂も肩まで、寝る時は目をこすらないように防護メガネまたは眼帯を装着、ほこりのある場所、土仕事は禁止etc。
メガネレンズ選びは、視力が落ち着く1か月後くらいになりそうです。
昔は、自分の体に人工物が入る抵抗感もありましたが生活に支障がでる状況ではそんなことは言ってられません。
手術後は・・・
アナログブラウン管カラーから、デジタル4Kハイビジョンに変わった感じです。
世の中の白はこんなに白いんだ! 自分の顔には、しわ、シミがこんなにあったんだ!
部屋にはこんなにほこりがあるんだ! 綿ほこりが舞っているのも見える!
物がはっきり見えるってことは、立体感が増すことも解りました。
昔は空の雲はベターと一つに見えていましたが、曇って上下に何層も重なっているのがハッキリと良く見えて驚いています。
人間の情報は80%目から入るってことで、見なくて良いものまで見えることもありますが視力が回復できたことで、うつの症状も無くなり目の前がぱっと明るくなった感じです。
きっと二十歳の若いころは、こんな映像を普通に見ていたんだろう!
現在は、両目ともに0.8〜1.0程度、車の運転はそのままでも以前より良いのですが、視力が安定する1か月後にレンズで矯正して1.5位にする予定です。
近くは、新聞の記事程度ならそのまま読めますが、それ以上細かな文字はハズキルーペ・軽い老眼鏡などを使う必要があります。
白内障の手術は、生活に支障が出始めてからでよいのですが、一緒に手術した90歳ほどの高齢者の方は、目薬をさすのも大変だったり、手術後のケアを自分でするのが難しかったりするようで、最終的に手術が必要であればある程度の年齢になったら手術を考えることが大事かも知れません。
また、水晶体が真っ白で硬くなった状態では、水晶体を細かく分解するのが難しくなり大手術になったり、挿入した眼内レンズが落下するなどの危険性を考えると手術のタイミングも考えるべきだと思います。
眼内レンズは50年以上使用可能ですので、レンズ入替で再度手術する必要はありません。
しかし、白内障は解決できても高齢に伴い加齢黄斑変性、網膜剥離、緑内障のリスクは高くなります。
定期的な検査を怠らないようにしましょう。
長くなりました、歳を重ね白内障を考える方々に少しでもプラスになれば幸いです。